導入事例:株式会社 トーハン

株式会社 トーハン

流通
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書籍流通システム事例

日本の書籍流通を革新するトーハン桶川SCMセンター。
供給のスピードアップと返品の削減。

業務の課題 出版流通の効率化と情報活用の拠点の構築

委託販売制度のもと4割にも達する返本のリスクとコストを背負う出版社、売れ筋商品の品揃えに悩む中小の書店、欲しい本が見つからず、注文してもなかなか入手できない消費者…。従来の出版流通が抱えるさまざまな問題の解決策として、書籍流通会社最大手のトーハンが打ち出したのが、世界最大規模の出版流通センター、「トーハン桶川SCMセンター」の建設である。

桶川SCMセンターは、従来別々に設置されていた注文品センター、返品センターと支社ごとに置かれていた商品在庫を集結。出版各社の共同在庫センターなども統合し、出版流通のすべてのサイクルがその中で完結する巨大な流通拠点だ。この統合の目的とは何か。株式会社トーハンの執行役員ロジスティックス部長、栃木裕史氏にお話を伺おう。「消費者ニーズの多様化に伴い、毎年約8万点もの新刊書籍が発行され、年間に流通する本の種類も80万点に及んでいます。問題は、これにより読者ニーズと商品供給のミスマッチが年々拡大していることです」

ミスマッチによって、多くの本が出版元に返ってくる。いまや返品率は40%に達する勢いだという。このままでは業界全体の経営が成り立たなくなると栃木部長は語る。「トーハンは、4,000社の出版社と27,000店の販売拠点の中間にいる卸として、あらゆる情報が集まる立場にあります。その卸が中核となる出版SCMを構築し、ムダやロスを徹底してなくすことにより、読者サービス向上を図ること。それが本プロジェクトの使命なのです」いま、出版流通業界では、全国販売店への商品供給情報、各店舗における日々の販売情報、さらには小売店から返品された返品情報をリアルタイムに把握し、市場在庫を最適にコントロールすることが急務だ。この業界全体の取り組みに向けたインフラの建設が桶川SCMセンターの最大の目的なのである。

「これを実現するためには、プロセスの制御点数が106,811点という巨大プラントを一瞬たりとも止めない技術が求められたのです」

プラットフォームの課題 1秒の停止も許されない流通システム

桶川SCMセンターは、日本全国の27,000以上の書店と4,000以上の出版社を結ぶ一大流通拠点である。毎日、センター内を経由する書籍は、送品と返品を合わせて、250万冊にも及ぶ。注文品の仕分や、返品された本の検品、在庫品の入出庫など、すべての作業にわたって、高度な自動化と効率的な業務手順が求められた。ロジスティックス部アシスタントマネジャーの佐藤広美氏にお話を伺おう。

「商品を構内で滞留させないために業務設計に時間をかけました。最終的に独自開発の流通システムを構築し、Just in timeで商品が動くしくみを作りました」例えば、注文品の仕分システム。ラインに投入された書籍はバーコードによって行き先が決定され、コンベアで搬送されながら、その書店向けのシュートに排出される。書店が注文した商品がすべて揃うと、スタッフがシュートの出口に積み重ねられた書籍を箱詰めして、搬送コンベアに載せるのである。この一連の作業はすべてWindowsサーバによって制御され、1時間約45,000冊の本の仕分けが可能だという。

「問題はこのサーバの信頼性でした。今回のシステムでは、たとえ1秒のシステム停止でも大きな損害につながる可能性があったのです」コンベア上の商品はすべてバーコードによってトラッキングされており、システム停止によってこの追跡情報が途切れると、それぞれの商品がコンベアのどこにあるのかが、分からなくなる。その場合、コンベア上のすべての商品を回収して、再投入しなければならない。もちろん、サーバの回復処理に手間取れば、業務停止の時間はさらに長引く。その間、現場スタッフが待たされるのである。

「システムの切替えに20~30秒かかるクラスタ構成では、対応できません。そこで私たちが選んだのは無停止型のサーバでした」ストラタスのftServerである。

今後の展開 本に命を。トーハンの「本命プロジェクト」

稼動から今日まで、システムは安定稼動を続けている。しかし、佐藤アシスタントマネジャーは、現在のシステムや業務が満足できるレベルに達しても、そこが到達点だとは考えていないという。

「新システムや新技術により、現場作業のやり方もさらに進化するでしょう。システムについても、より高い信頼性、可用性、サービスレベルを追及していきたいと思っています」

最後に、栃木部長に締めくくっていただこう。

「私たちは、もっと多くの人に本に親しんでいただきたいのです。とくに、これからの日本を支える子供たちには、画像や音では得られない読書の楽しさや知的な素養を身に付けてもらいたい。そのために私たちはこれからも本が読者一人ひとりの手に渡るまでをトータルにプロデュースしていこうと思っています」読者が手にして、はじめて本に命が吹き込まれる。あらゆる本に命を与え、本の命が国をうるおしていくように、トーハンのとどまることのない進化をしめす「本命プロジェクト」を、出版流通のシステムの中でftServerが支え守り続けている。

株式会社トーハン注文システム概念図

Interviewee
株式会社トーハン執行役員
ロジスティックス
部長
栃木 裕史
株式会社トーハン
ロジスティックス部
アシスタントマネジャー
佐藤 広美
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
リテールビジネス営業第1部
リテールビジネス営業第1課
桑名 弘明
Profile
  • 社名
    株式会社 トーハン
  • 本社
    東京都新宿区東五軒町6-24
    桶川SCMセンター埼玉県桶川市大字上日出谷字原新田1202-1
  • 創業・創立
    1949年9月19日
  • 資本金
    45億円
  • 事業内容

    (1)書籍・雑誌・教科書等出版物の販売と販売企画

    (2)教育情報関連商品、音楽関連用品等の販売と販売企画

    (3)情報処理、情報通信、情報提供およびコンピュータ機器の販売とその企画

  • 従業員数
    2,174名
  • URL
Profile
  • 社名
    伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(略称CTC)
  • 本社
    東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビル
  • 創業・創立
    1972年4月1日
  • 資本金
    21,763百万円
  • 事業内容

    コンピュータ・ネットワークシステムの販売・保守、ソフトウェア受託開発、情報処理サービス、科学・工学系情報サービス、サポート、その他

  • 従業員数
    約6,000名
  • URL
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