導入事例:Rexam BCNA

Rexam BCNA

製造
Hardware

SAP製品導入事例

SAPソフトウェアとストラタスのサーバで実現するPerfect Plant

各工場の製造管理データのリアルタイム可視化

スチール缶、ペットボトル、紙パックなどの容器に入れられた様々な飲料製品。今回紹介するRexam社はそうした飲料製品の缶の製造量では世界シェア第1位、包装容器の製造量では第4位の規模を持つ企業だ。そのRexamの中でも最大事業を展開するのが米国シカゴを拠点とするRexam Beverage Can North America(以下「Rexam BCNA」)だ。

これまでSAP Business Suiteアプリケーションを利用してきたRexamは、社内システムの入れ替えに伴ない設計変更を行う。それは既にカスタマイズされたSAP ERPソフトウェアを機能強化し、本社だけでなく現場の工場へも設置するというものだ。この変更作業の目的は通信回線(WAN)の不具合や、本社データセンターにおけるソフトウェアアップグレード作業が原因となって本社のSAPアプリケーションにアクセスできない状況が発生しても、工場の製造データを収集、レポートすることにある。17ヶ所ある各工場のラインがフル稼働しているRexam BCNAでは、システムダウンは絶対に許されないためだ。

一方こうしたシステムの連続稼動を重視することとは別に、Rexam BCNAでは工場のIT技術者にかかる人件費をいかに抑えるかといった課題もあった。そこで検討した結果、SAP ERPにて製造データの取込みを可能にするSAP xAPP Manufacutring Integration and Intelligence (SAP xMII)コンポジットアプリケーション製品を、ストラタステクノロジー社の無停止サーバftServerをプラットフォームとして導入することを決める。

システム導入の狙いと高可用ソリューション

Rexam BCNAがシステムを導入する際の必要条件は次の通りだ。

  • システムダウンに対し工場側で対応できること
  • MESフレームワークとなる製造計画と実行管理にSAPソリューションを利用すること
  • SAP ERPとスムーズにデータ連携できること
  • 複数システム間での情報共有を強化すること
  • 工場側へSAP xMIIを導入することにより、本社側SAP ERP上のカスタマイズ作業を軽減すること

当初Rexam BCNAは工場側SAPシステムの可用性強化についていくつかの方法を検討していた。一つは予備のSAPERPインフラを全社レベルで構築しておく方法であるが、この方法だとシステムのアップグレードや運用保守時などの計画停止時においては有効だが、予測不能な障害停止には適さない。またもう一つの方法は工場毎にDBを持ち、別々にエンタプライズアプリケーション(EAI)ツールを使ってSAP ERPと連携するというものだ。しかしこの方法は運用面での複雑さとコストの問題で早々に候補から外されてしまった。

その後SAP社より新たに紹介されたxMIIコンポジットアプリケーションが機能的に適していると判断、導入を検討する。

今回のプロジェクトでコンサルティングを担当するTata Consultancy Service(以下「TCS」)社は、これらの製品を各工場のDBに接続し、本社データセンターで稼動するSAP ERPアプリケーションに同時に更新処理を行なうプログラムを開発した。このプログラムにより、万が一本社SAP ERPアプリケーションがシステムダウンしたり専用回線が使用できない場合でも、工場側でローカルに製造実行データを確認・保存することができ、さらに SAP ERP復旧後更新処理をかけることが可能となった。

ハードウェアについてはクラスタシステムでの構築を検討していたが、徐々にいくつかの問題点が見えてきた。「我々の必要としていたのはftServerが実現するファイブ・ナイン(99.999%)の高可用性でした」と語るのはRexam BCNSのSAPアプリケーション開発のマネージャ、ガニッシュ・ライア氏だ。クラスタシステムでは障害発生時にサーバ間でのフェールオーバ(切替処理)が発生するため、システムが停止してしまう。

「またストラタスのftServerの導入によって、システムの不具合やアプリケーション運用管理に関するIT技術者との打合せが不要になったことも大きなメリットです。」とライア氏は続ける。

ftServerはIntelプロセッサーを搭載、OSにMicrosoft Windows ServerおよびRed Hat Enterprise Linuxをサポートする。独自の冗長ハード構成、フェールセーフ・ソフトウェア、Active Upgrade機能により連続稼動処理を実現するサーバ製品だ。しかもアプリケーションを一切修正することなく高可用性を実現できる。現在世界中で利用されているftServerシリーズは、99.999%の稼働率を実現している。「当社ではこのサーバ製品を導入することで、確実にシステムの連続稼動を実現します。」とは、Rexam BCNAのバイスプレジデント兼CIOのジョン・ニームジク氏だ。「本社と工場間のシステムをつなぐ重要なプラットフォームとしてftServerは最適な製品です。」

導入効果

ftServerをプラットフォームとし、SAP xMIIコンポジットアプリケーションをベースに構築されたRexamのMESソリューションでは、システム停止が驚くほど減少した。またこれまで本社の SAP R/3に対し実施していたカスタマイズ作業を、工場のxMIIで対応することが可能となり、SAP ERPに対してより細かなメンテナンス作業を行なうことができるようになった。さらに本社側生産計画および工場側の製造実行のどちらのシステム共SAPソリューションで統一することになり、データ共有、一元操作、事例の社内情報共有といった効果も上がっている。

操作画面は見た目にわかり易く、工場側でIT技術者が常駐する必要はなくなった。また簡単に操作画面を作成、編集できるよう使いやすいツールキットも提供されている。

最後に親会社Rexam PLCのCIOであるポール・マーチン氏のコメント。「今回導入したシステムは、我々のビジネスをパワーアップさせる優れたソリューションでした。もちろん正しい導入計画とパートナー選定があったことは言うまでもありません。」

キーポイント

ソリューション概要
  • システムダウンタイムに対する工場側の対応実施
  • 工場側システムを中心としたMESソリューション
  • SAP ERPとのスムーズなデータ連携
  • 高品質、高生産性システムの実現
導入サーバ

17工場毎に以下サーバを導入

  • ftServer 4300(SAP xMII用)
  • ftServer 2400(Plant Analytics用)
  • ftScalable storage(Plant Analytics用)
導入ソフトウェア
  • SAP xMiiコンポジットアプリケーション
  • Oracle 10i
  • SAP XIアプリケーション
  • Acumence社 Plant Analytics
  • Microsoft Windows Server OS

システムインテグレータ

Tata Consultancy Services

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