導入事例:藤田保健衛生大学病院

藤田保健衛生大学病院

医療
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医療画像情報システム構築事例

病院情報システムと連携する画像ネットワーク

放射線情報システムならびに画像管理システムにftServerを採用。
信頼性に優れた医療の電子化をバックアップ

藤田保健衛生大学病院は、将来の画像データの増加にも対応できる医療画像システムを構築した。

電子カルテをはじめとする病院情報システムとも連携する新たな医療画像の基盤システムの中核に採用されたのは、ストラタスの無停止型サーバftServerである。

業務の課題 医療画像活用のための将来基盤

愛知県豊明市の藤田保健衛生大学病院は、ベッド数1,510、23の標榜科をもつ日本でも最大クラスの大学病院である。厚生労働大臣認可の高度機能病院として高度先端医療を実践するとともに、大学の教育病院としても重要な役割を果たしている。同大学の卒業生が多い地元医療機関との緊密な連携を背景に、地域の中核病院としての評価も高い。この病院が今回、病院全体を結ぶ医療画像システムを構築した。プロジェクトを推進した医療情報部副部長の江本豊医学博士にその目的をお聞きしよう。

「膨大な画像診断のデータを今後いかに活用していくかが課題だったのです」

現在、病院の放射線科ではマルチスライスCTなど最先端の画像診断装置が日々の診断にフル稼動している。これらの装置では1回の撮影で得られた画像データが3次元画像としていつでも確認できるため、病変の把握も容易で、患者への説明もしやすい。問題はそのデータの量だった。

10年前は1回の検査で4〜50枚程度だったCT画像が最新の装置では3,000枚。検査の件数も大幅に増えていたという。画像データは数年前の予想を超えるペースで増加していたのである。しかも、それらのデータは長期保存が前提だった。

「臨床では過去の検査との比較がとても重要なので、データは半永久的に保存していく必要があるのです」と江本先生とともにプロジェクトを推進した藤田保健衛生大学教授 片田和廣医学博士は語る。

将来、的確な診断を行なうためには、いまから膨大なデータを蓄積していかなければならない。増え続けるデータを確実に保存し、利用するしくみを早急に構築する必要があった。

「もちろん、それらのデータを最大限に活用できるしくみも必要でした」

医療画像やその検査レポートを、各診療科の医師が日常の診療活動の中で自由に利用できなければならない。求められていたのは、病院全体を結ぶ医療画像ネットワークと検査情報やカルテとも連携するトータルなシステムだったのである。

プラットフォームの課題 大学病院システムに求められる連続運用

2002年、病院は、従来のメインフレームシステムを電子カルテに対応したPCベースの病院情報システムに一新する方針を固めた。新たな医療画像システムもこれと合わせて構築されることになった。

全体のシステム構築は大手コンピュータメーカが受注したが、画像関係のシステム構築は東芝メディカルシステムズが担当することになった。画像診断機器のトップメーカである同社の高度な画像ハンドリング技術と電子カルテとの連携も可能な医療情報コミュニケーションシステム「Rapideye」が評価されたのである。

江本副部長からは、増え続ける画像データを確実に管理するための基盤と将来に向けた拡張性、さまざまなメーカの製品が混在する病院内のマルチベンダー環境への対応が要請された。さらにより厳しい条件も課せられたと東芝メディカルシステムズSI事業部の川本卓司部長は語る。

「24時間の稼働です」

大学病院では、診療や研究のために夜間でも装置を使うことが多い。24時間システムが止まらないことが第一条件だった。メインフレーム時代にはメンテナンスによる停止も多かったが、これも避けたいと要望されたという。

「業務の流れが変わり現場の負担になるのです。ミスを予防する意味でも止まらないシステムが必須でした」

PCサーバの高可用性技術として一般的なクラスタリングシステムでは、フェイルオーバにどうしてもある程度の時間がかかる。信頼性の面の不安もぬぐいきれない。

「最終的に我々が選んだのはftServerでした」

ストラタスのソリューション 信頼性、パフォーマンス、開発の容易性

まず、評価されたのは、ハードウェアレベルの2重化による高信頼性である。ftServerでは、万一障害が発生した場合、片系の障害発生コンポーネントが自動的に切り離されるだけで、システムは正常に稼動し続ける。ソフトウェアによる仮想2重化にみられるパフォーマンスの低下もなく、クラスタリングシステムのように障害時の切替えに時間がかかることもない。

パフォーマンスも重要な要素だった。とくに大量の画像情報を扱うPACSサーバには処理能力が求められた。選ばれたのはft5600。Intel Xeon3.2GHz搭載のパワーによって、150〜200台の端末からの同時参照が可能になったという。

開発作業でのメリットもあった。「シングルシステム」である。OSやアプリケーションからは単体のサーバに見えるため、二重化のためのソフトウェアの開発が不要なのだ。しかもOSは標準的なアプリケーションがそのまま使えるWindowsR Server2003である。

「実際、我々が別のマシンで開発したソフトがソースコードレベルでの変更なしにそのまま稼働しました」(東芝メディカルシステムズ川本部長)ftServerの信頼性、パフォーマンス、システム構築の容易性を背景に、システム構築は進められた。その成果をご覧いただこう。構築されたのは3つのシステムである。

まず、RIS(放射線情報システム)。HIS(病院情報システム)からオーダー情報を受け取って、放射線部門内のワークフローを実行するシステムである。

画像情報処理の中核となるシステムがPACS(医用画像情報システム)だ。サーバにDICOM形式で保管された画像を放射線科の医師が高精細の読影端末で確認しながら診断する。ストレージシステムとの連携で、画像情報の増加にも柔軟に対応。ゲートウェイを設けることで、違うメーカの画像関連機器との連携も実現した。

PACSの画像に基づく所見を入力するのがReportシステムだ。PACSの画像とReportの診断レポートは、Webを介して、各科の医師に配信されるのである。

今後の展開 医療の未来を拓く

システム構築はいま最終段階を迎えている。過酷な負荷試験にも、ftServerは何の問題もなく稼働しているとのこと。構築中の電子カルテシステムとの連携が済めば、各診療科の医師が画面上でカルテをクリックすると該当画像が即座に出てくるようになるだろう。業務と連携した画像情報システムが完成するのである。

最後に江本先生、片田先生にftServerについての評価をいただこう。

「止まらないシステムというのは非常にありがたいですね。現在もそうですが、今後、病院からフィルムが完全になくなったときにはftServerのようなソリューションはさらに重要でしょう」

ちなみに、片田先生はコンピュータ断層撮影装置開発の第一人者である。日経BP技術賞、通産大臣賞など数多くの学術賞も獲得されている。また、江本先生は医療現場の立場からベンダーの垣根を越えた情報連携を提案し、実現していくプロジェクト「IHE-J(日本における医療連携のための情報統合化)」の旗手として活躍中だ。医療の将来を切り拓くリーダーたちが選ぶプラットフォーム、それがftServerなのである。

藤田保健衛生大学病院様 システム構成

Interviewee
藤田保健衛生大学
教授
片田 和廣 医学博士
藤田保健衛生大学病院
医療情報部
副部長
江本 豊 医学博士
東芝メディカルシステムズ株式会社
SI事業部画像健診担当
部長
川本 卓司
Profile
  • 社名
    藤田保健衛生大学病院
  • 本社
    愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪1の98番地
  • 開院
    昭和48年5月
  • 診療項目

    内科、精神科、神経内科、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、脳神経外科、心臓血管外科、
    小児外科、皮膚科、泌尿器科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、
    歯科、小児歯科、矯正歯科、呼吸器外科

  • 病床数
    1,510床
  • URL
Profile
  • 社名
    東芝メディカルシステムズ株式会社
  • 本社
    栃木県大田原市下石上1385番地
  • 東京本社
    東京都文京区本郷三丁目26-5
  • 創業・創立
    昭和23年9月
  • 資本金
    147億円
  • 事業内容

    医用機器(診断用X線装置、医用X線CT装置、磁気共鳴画像診断装置、超音波画像診断装置、
    放射線治療装置、診断用核医学装置、医用検体検査機器、医療機関向け情報システムなどの製造、
    販売、技術サービス

  • 従業員数
    3,250名
  • URL
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