導入事例:医療法人 明仁会 かないわ病院

医療法人 明仁会 かないわ病院

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高信頼性医療システム構築事例

中堅病院の革新的なシステム基盤を支えるftServer
~医療サービスの質の向上と、安全で確実なIT運用を同時に実現~

石川県金沢市の「かないわ病院」は、保険医療と地域サービスを通じて金沢北西部の精神医療を支える中核病院だ。同院では、医療の質の向上を目指すと同時に、情報セキュリティ対策や安全で確実なシステム運用のため、ITシステムの刷新に取り組んだ。課題払拭だけでなく、将来像や地域医療の牽引まで見越して導入された革新的システムの基盤を支えるのは、ミッションクリティカルなアプリケーションに「止まらない安心」を提供する、ストラタステクノロジーの無停止型サーバ「ftServer®」だった。

ITに精通した人材を確保できない医療現場の課題

金沢市内を流れる犀川が日本海に注ぐ河口に位置する「かないわ病院」は、昭和31年4月に「金石神経サナトリウム」として診療業務を開始した。現在は189の病床に精神科、心療内科、児童精神科、内科を備え、総数135名の医師や職員が勤務する地域の中核病院として、精神医療福祉の地域への浸透と充実、及び地域支援と障害者の自立の促進を図っている。

同院では、2000年代の前半から院内のIT化を推進してきたが、カルテや診療報酬の計算などは、基本的に外部のソリューションを採用せず職員が作業していた。部門毎に乱立するサーバの運用管理工数も大きな悩みの種だった。さらに精神科病院の特性として、医療情報の機密性が一般病院に比べて高く、医療情報の安全性を担保することは必須条件だ。このような状況の中、堅牢かつ安全なIT基盤を整備することが、同院の経営課題として浮上したのだ。

「当院に限った問題ではなく、中小規模の病院の多くはITに精通した担当者がいません。なぜなら、たとえ医療の質を向上するためであっても、診療に直接関わらないITシステムには診療報酬がないのです。つまり、ITシステム導入や運用管理工数に見合った報酬が支払われないため、大きな負担になってしまうのです。結果として、多くの病院では専門スキルを持たないスタッフが兼務しているのが現状なのです」と、同院の大西義則事務長は、医療現場のITシステム運用の課題を強く訴える。システム導入に際しても医療系ITを取り扱うベンダーやメーカーから提案されるソリューションを、充分に評価できずに採用しているケースが多くあるという。「当院特有の課題や、既存システムの問題点の解決策を相談しても、『できません』と言われてしまえば運用で対処するしかない。結果的に現場担当者の負荷が増えてしまうのです。閉塞性のある医療系ベンダーやメーカーだけに依存していいのかどうか、かねてから疑問に感じていました」と、大西氏は当時を振り返る。

こうした状況を改善するべく白羽の矢が立ったのが、同院のIT管理課主任であり医療情報技師でもある河原直人氏だ。「河原君は、私が以前勤めていた病院の職員で、大手サーバメーカーでの製品検査や開発フィードバックを務め、多業種でITシステム導入経験のあるITスキルを持った人材です。彼ならば、当院のような規模でも最先端の医療系ITを構築してくれると考え、5年前に赴任してもらったのです」と大西氏は河原氏を起用した理由について話す。

河原氏によるIT基盤の整備と、先進的なシステム構築で病院の差別化をはかる取り組みがこうして始まったのだ。

ftServerの高信頼性とパートナーの技術力が山積する課題を解決

「患者さんの命を預かる医療機関で運用するシステムは、止まらないことが当然の前提です。同時に、当院の患者さんの情報は、決して外部に漏れてはいけない高度な情報セキュリティが求められます」と、河原氏は同院のIT化に向けた目標を整理する。院内に多数のサーバが稼動し、個人の診療情報が現場のクライアントPCに保存されている、といった状況は、運用管理の面でもセキュリティ対策という観点からも望ましくない。そこで安全で堅牢なITシステムの構築にあたって、河原氏が最初に検討したのはデスクトップ仮想化と、高可用性を実現したシステム基盤の構築だった。

早速、複数のベンダーやシステム・インテグレータに要件定義を示し、提案を依頼した。多くの提案に仮想化ソフトウェア製品のHA(ハイ・アベイラビリティ)オプション機能やHAクラスタシステムを用いた冗長化構成が組まれていたが、河原氏が注目したのは、予てからつきあいのあった富士ゼロックス北陸からの提案だった。富士ゼロックス北陸がかないわ病院の目指すITシステムを支える基盤として紹介したのはストラタステクノロジーの無停止型サーバ「ftServer」だった。

「重要度のそれ程高くない業務向けIT基盤であれば、HA技術による冗長化でも充分かもしれませんが、それでは、医療現場の求める安定稼動のレベルには至りません」と、河原氏は説明する。HAクラスタシステムなどでは、システムを複数台のサーバで冗長化し、一台が故障したときに待機系のサーバが代替処理を行うが、サーバの切り替え時にダウンタイムが発生してしまう。また、構築や運用管理も複雑だ。「それに比べて、ftServerは99.999%以上の連続稼動という高い可用性を担保してくれます。さらに、運用はシングルサーバ同様のシンプルさ。この技術の高さと、それを提案してくれた富士ゼロックス北陸を評価しました」と河原氏はftServer選定の経緯について語る。

同院にftServerを紹介した富士ゼロックス北陸株式会社 ソリューションサービス統括部 システムエンジニアリング部 SE2課 課長 川上正春氏は、提案のポイントについて次のように話す。「富士ゼロックス北陸では、3年以上前からftServerの勉強会を実施し、知識と技術の習得に励んでいました。今回、かないわ病院の河原様からお話があったときに、HAクラスタ構成という他社の提案に対して、ftServerならば当社の技術力や提案力の高さを示せると考えたのです。」

富士ゼロックス北陸では、ftServerの性能の高さを同院に納得してもらうために、実機を持ち込んでデモンストレーションを行った。「河原様はITに精通していらっしゃるので、ftServerの仕様書を見ただけで、止まらないサーバであることはご理解いただけました。ただ、当社としては単に製品をメーカーからお客様に納品するだけではなく、導入後のサポートや対応もしっかりできる、という技術力を伝えたくて、実機を使った疑似障害のデモを見ていただいたのです」と、川上氏は当時を振り返る。デモンストレーションを体験した河原氏は、「これだ、と確信しました。IAサーバでここまで信頼性の高いIT基盤を構築できることに大変驚きました」と、そのときの印象を力強く語る。

無停止の安心とシンプルな運用管理が支える質の高い医療提供と地域連携

かないわ病院は富士ゼロックス北陸とともに、包括的なシステム基盤の構築に加え、将来的な拡張性も十分に検討し、もっとも性能が高く処理容量の大きなftServer 6400を3台採用した。更に、VMware® HAを導入し、高可用性仮想化ソリューションによるサーバ統合と院内の仮想デスクトップ環境を整備した。こうして、電子カルテ、PACS(Picture Archiving and Communication System)、オーダリング、医事をはじめとする各部門システムなど、同院の基幹システムすべての稼動環境を支える盤石な基盤構築が実現したのだ。妥協のない、究極の高信頼性システム構築を実現した河原氏の取り組みは、他にもさまざまな導入効果を同院にもたらしている。

まずは運用負荷の低減だ。「以前は部門毎のサーバ管理、特にバックアップなどが大変でした。OSも異なるため、それぞれタスクやコマンドなどを作って個別対応が必要でした。今回システム全体を刷新し、シンプルなサーバ統合を実現したので、運用管理にかかる手間やコストが大きく削減されました」と、河原氏は評価する。

また、医療現場の専用端末や各部門システムを集約し、デスクトップ仮想化により共有したことでITシステムの活用度が飛躍的に向上した。「職種を超えて情報管理を効率化したことは、何よりも患者様への医療サービスの質の向上につながっています。必要な時に、必要な場所から、必要な情報にアクセスできるよう、ネットワークや端末の整備も進めています。仮想サーバの高可用性だけでなく、当院の医療システムのインフラ環境は全てftServerによって無停止運用が担保されていますから、安心してアプリケーションの運用に集中できるのです」と、河原氏は今後の抱負を話す。

かないわ病院では、堅牢な院内システムの構築にとどまらず、地域連携も視野に入れた先進的改革に取り組んでいる。

「当院のような規模の病院でも、パートナーと知恵を出し合うことで最先端の医療情報システムを構築できるのです。今後は、自治体や各医療機関とも協力し、このシステム基盤を活用して地域医療連携などにも取り組み、患者様の利益を追求していく考えです」と大西氏も同院の先進的な医療情報システムの将来性について語った。

かないわ病院様 システム構成

Interviewee
かないわ病院
事務長
大西 義則
かないわ病院
IT 管理課主任
医療情報技師
河原 直人
富士ゼロックス北陸株式会社
ソリューションサービス統括部
システムエンジニアリング部
SE2課 課長
川上 正春
Profile
  • 社名
    医療法人 明仁会 かないわ病院
  • 所在地
    金沢市普正寺町9-6
  • 設立
    1956年4月
  • 診療項目

    精神科、心療内科、児童精神科、内科

  • 病床数
    189床
  • URL
Profile
  • 法人名
    富士ゼロックス北陸株式会社
  • 所在地
    石川県金沢市中橋町11-18
  • 設立
    1981年11月
  • 事業内容

    業務改善、オフィスの効率化等を目指したシステム提案によるプリンター、
    パーソナルコンピューターその他システム商品の販売、サービス

  • 従業員数
    256人
  • URL
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