導入事例:医療法人社団 王子会

医療法人社団 王子会

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Web対応医療情報ネットワークシステム構築事例

VMware上で構築された最新の医療情報システムを無停止サーバが支える

Service=奉仕の心、Speciality=専門性、Smile=笑顔、Study=自己研鑽、Safety=安全という5つの理念に基づき、神戸を基盤に地域医療に励む医療機関がある。医療法人社団王子会である。

王子会は、開業以来17年、神戸を基盤に人口透析、循環器内科を中心とした医療活動を行っている。

このたび致命的な循環器疾患の予防から、早期発見まで幅広い医療活動が行えるよう、最新の医療機器を備えた「王子会神戸循環器クリニック」を開業する。これにあわせて最新の医療情報システムを開発し、導入された。

業務の課題 新しい医療施設の開業にあわせた業務の効率化

多くの患者を苦しめる心臓病。その病状は悪化すると、心臓麻痺、心筋梗塞などに発展し、患者を死に至らしめる。こうした患者をいち早く救いたい、その思いが「王子会神戸循環器クリニック」の開業につながっている。また、2008年4月より、冠動脈のCTやMRIの診療報酬点数が加算されるようにもなり、こうした状況にも応えられるだけのキャパシティをもった医療施設が必要であったのだ。

王子会神戸循環器クリニックは西日本で初めて導入された最新鋭128マルチスライスCTや最上位機の1.5テスラMRI(32チャンネルコイル)、マンモグラフィ、CR/DR、エコーなど最新鋭の機器群を惜しみなく導入した最新の医療センターであり、検診、指導、治療後のリハビリなど総合病院と連携した総合的な医療活動が行えるようになっている。この最新型の128マルチスライスCTでは冠動脈の撮影が4~5秒ほどで終了する。従来の64列CTでは、心拍によって10秒以上の息止めを必要としていたが、5秒程度の時間に短縮できる。このことは、患者の負担を大幅に軽減することができ、高齢者に優しい医療を提供する事が可能となると同時に質の高い画像を提供できる。また、新製品の32チャンネルコイルを使用可能にしたMRIも10分程度で撮影が終了するという。これも従来からすると大幅な時間の短縮となる。こうした設備の充実は、患者への費用負担という形にも貢献する。たとえば、検査入院となると2~3日を要するが、1日入院の基本料金で15,000円の日数分の入院費と検査費が加わってくる。本院のCT検査であれば時間もかからず費用負担も少なくなる。

一方で、開業には多額の投資が必要であり、医療法人としての安定した経営を考えると、患者に対する医療行為を犠牲にすることなく、業務の効率化をサスティナビリティしていく必要がある。

プラットフォームの課題 仮想化環境のための堅牢なインフラストラクチャが必要

医療の現場では、電話やFAXによる確認、CD-Rへのデータ保存、結果の送付など、多くの業務が手作業で行われている。これではある程度で頭打ちになってしまい、診療件数を増やすことはできない。さらにCTやMRIのどちらも撮影するとフィルムが4~500枚に達するため、これらの最新機器を効率よく扱えることのできる医療情報システムの迅速な導入が求められた。

電子カルテは補助金の効果もあり、基幹病院をはじめ、さまざまな医療機関が導入しているが、いくつかの問題を抱えていると医療法人社団王子会 事務次長 近藤博氏は語る。「電子カルテのデータベースはブラックボックスであるのが現状です。最近やっと汎用DBも使われるようになっていますが、内部構造などいまのところはベンダの企業機密、つまり、自分の入力したデータであっても、システムに入力したら自分のものではない状況になるのです。それに、既存の電子カルテはシステムまたは人の連携を前提に考えていません。」これに対する王子会の選択は既存の電子カルテの弱点を解消する医療情報システムを開発し構築することであった。

将来的に地域の開業医、病院などの医療機関との連携を考慮したものとなっている。電子カルテやデータが共有されることで紹介された患者がどのような診察なり処置が施されたのかを把握でき、紹介先に戻すことも簡単にできるというメリットが生まれてくる。「患者目線にたっての診療を厚生労働省も望んでいるのであれば、実現すべく方法は医療機関の目標を示すものであり、仲間を増やし、スムーズな連携を図るための流れを作る必要がありました。これらの課題を積極的に応援してくれたのがトリニティデザインの田中社長でした。」と近藤氏は株式会社トリニティデザインの田中氏に絶大な信頼を寄せる。

システム構築にあたって、PACS(画像診断支援システム)、電子カルテと続いて電子カルテと親和性の高い医事会計システムを選択しなければ事務の効率化が図れないと考えていた。「これらの3つの要素を1つのサーバで仮想化技術を使うことを考えてスタートしたかったわけです。」(近藤氏)

こうした仮想化技術をシステム基盤に検討された医療情報システムには、より堅牢なインフラストラクチャが必要となっていた。

ストラタスのソリューション 仮想化環境の堅牢性のための無停止型サーバ

「これまでは大手メーカーの医療情報システムが提供されているハードウェアを使っていましたが、メンテナンス保守面・システム改善の面で問題がありました。ftServerは以前から知っていましたが、ホスピタルショウで再度、その良さを認識しました。」と近藤氏はftServerの導入のきっかけを、こう語る。

たとえばPACSが停止することは画像処理ができなくなり、診断に影響を及ぼす。「過去、クラスタ構成の医療情報系システムを組んだことはありますが、切り替わった後、データベースの構成を元に戻すなどの作業があります。その作業の煩わしさを病院の経営者は知りません。切り替わるから安全だということしか知らないのです。実際、そのような場面に遭遇すると夜間作業になったりしますが、病院の場合、24時間の稼働が求められるため、止めることは許されません。そうするとftServerという選択があがってきます。」(近藤氏)

さらに診療所の規模からすると、専任のスタッフを常時配置するのは、メンテナンスの費用、効果から考えると難しいと近藤氏は指摘する。「ftServerのような無停止型という特徴に加え、障害がおこりそうな予兆をメンテナンスのリモートセンターで監視できるサービスの提供も受けることができるので、確実に運用上の負荷の軽減につながります。王子会神戸循環器クリニックのモダリティを考えると予防、未病の対策ですが、これはITでも同じことがいえます。故障してから切り替わるのではなく、ftServerなら、事前に兆候を捕まえ、万一障害が生じてもシステムは止まらずに稼働することが可能で、システムに精通した特別な運用スタッフを配置する必要もないことが導入の大きなポイントです。システムも人と同様に生き物として捉えています。」(近藤氏)とftServerについて評価する。

VMwareの導入についても医療業界では新しい。「医療機関にはさまざまなOSが導入されていますが、最終的には統合できればよいと思っていたところ、VMwareが登場し、実現できるようになったと考えました。それを利用したいと思うのは自然の流れです。結果的にはエコなシステム環境、省スペースを実現できました。」(近藤氏)と時代の到来を歓迎する。さらにVMwareとストラタスについては、「メーカーがバンドルして提供されるのは1つの安心材料であり、選択の一部にもなっています。仮想化技術を適用した医療情報システムとしては、日本初ではないでしょうか。」と近藤氏はVMwareとftServerの組み合わせを評価する。

「国内では最初のチャレンジだったため、なにがでてくるか不安がありましたが、それをメーカーと協力して解決していく道を見つけてきました。」と近藤氏はパートナーであるトリニティデザインとともにメーカーと強固な協力関係を築いている。ストラタスについては、「他の業界での実績、それに対するユーザの高い評価に大きな期待を持っています。他のベンダもFT機を出しているのかもしれないが、それがメインではないので、万一サポートが止まってしまうことを考えると、専門でやってきた実績あるベンダの製品を選択することで安心できます。それに日本の大手のベンダでさえもストラタスのftServerを使っていることも安心材料になっています。」(近藤氏)と付け加える。

今後の展開 医師が医療に専念できることが患者のためになる

「システムを導入する上ではTCOの観点から運営のコスト削減、効率化も目指さなければなりません。ただし、そのことがサービスや医療の質を落とすような結果にならないようにしなければなりません。医師にはコスト的なことを考えるより、医療に専念してもらいたい。それによって王子会全体として発展させていきたい。」と近藤氏は語る。

今後の展開としては、まずは法人内での導入促進を進めていくことだと近藤氏はいう。「王子クリニック、塩屋王子クリニック、王子会神戸循環器クリニックの3つと老人保健施設を運営しているので、そこでの患者情報の共有を図り、引き続き山手さくら苑、塩屋さくら苑といった2つの特別介護老人ホームともつなぎたいと考えています。1年後には老健が完成し、その最上階に王子クリニックが移転する予定で、1つの建物に老健と診療所がはいります。塩屋王子クリニックも特養と隣合わせになっていますのでスムースに連携しています。制度的には入り混じってはいけませんが、制度を守りながら、連携を図っています。その中で在宅介護なども積極的に提供していく予定です。法人内連携については、1年以内には実現すると思います。それまでにその近隣の診療所との連携も視野に入れています。」

ここでの実現内容は学会などでも発表していくという。「日本の世の中というのは、実績がないとなかなか絵に描いた餅で終わってしまいます。ちっぽけでもそれを実現して、可能性ではなく実現性を立証する必要があると思います。それを我々がやり、情報配信していきます。小さな事から始めて、大きく育てていく事を目指しております。」(近藤氏)最後に「質の高い医療、介護はだれにでも受けられることが理事長の理念です。」と近藤氏は王子会の理念を代弁する。こうした患者本位のサービスを向上させることがリピートを増やすことにもつながり、経営基盤を固めることにも繋がっていく。こうした経営理念と地域医療を支えるインフラを、ストラタスの無停止型サーバ「ftServer」が支えている。

医療法人社団王子会様システム構成図

  • 最先端のモダリティである128列のMDCT、1.5TのMRIで撮影した画像は、定評のあるAZE Virtual Placeを用いて3次元画像作成や解析処理を行う事でバックアップします。
  • 王子会クリニックで構築されたWeb型医療情報システムは、株式会社トリニティデザインの協力を得て、ストラタス無停止型サーバをベースに地域医療を目指した最先端技術のネットワークシステムです。
  • Web 対応ネットワークモデルでは、Web型電子カルテシステムならびにWeb型PACSシステムと医事会計システムを仮想化技術で統合化し、エコシステムを実現しています。更に、医療機器とシームレスに接続させる事で、どこでも最新の診療情報をインターネット上で閲覧することができます。
  • 画像診断のレポートは、CD-R、フィルム、Web(インターネット)のいづれかをご選択いただけます。
Interviewee
医療法人社団王子会
事務次長
近藤 博
株式会社トリニティデザイン
代表取締役
田中 健一
Profile
  • 社名
    医療法人社団 王子会
  • 本社
    神戸市中央区筒井通1丁目6番11号
  • 開院
    開院1992年 法人化1998年
  • 診療項目

    内科・循環器内科・呼吸器科・消火器科・血液透析・
    腹膜透析(CAPD)・整形外科・特診・
    成人病検査(癌、糖尿病、高血圧、肝臓病)・企業職員定期検査・
    管理栄養士による栄養指導・訪問診療・訪問看護・訪問リハビリ

  • 職員総数
    約300名(グループ全体)
  • URL
Profile
  • 社名
    株式会社トリニティデザイン
  • 本社
    大阪府大阪市中央区本町2丁目4番16号 オフィスポート内本町
  • 創業・創立
    2007年
  • 資本金
    147億円
  • 事業内容

    医療・福祉・健康・保健に関わるトータルソリューションサービス事業

  • 従業員数
    6名
  • URL
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