導入事例:徳島大学病院

徳島大学病院

医療
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医療画像情報システム構築事例

画像ネットワークが拓く、先端医療

医療画像配信システムにftServerを採用、
医療画像の共有化を支える信頼性を実現

徳島大学病院は、診療、治療に必要なあらゆる画像を、すべての診療科から瞬時に呼び出せる医療画像配信システムを構築した。

医用画像情報化の最先端を行く病院の、止まることの許されないシステムの中核に採用されたのは、ストラタスの無停止型サーバftServerである。

業務の課題 医療の質と効率を革新するフィルムレス化

710の病床、1日1000人の外来患者-徳島大学病院は、文字通り徳島最大の病院だ。国立大学の法人化を機に、この巨大な大学附属病院も改革を遂げつつある。2003年には医学部と歯学部それぞれの附属病院の統合によって医科歯科にまたがる診療体制を確立。翌年4月には最新の医療設備を備えた中央診療棟が新築され、名実ともに地域医療のリーダーとしての道を歩みだした。今回の医療画像配信システムは、この中央診療棟内に構築されている。システム構築の目的を徳島大学病院の放射線部長西谷弘医学博士にお聞きしよう。

「フィルムレスによる、先進の医療画像の共有です」

例えば、今回導入されたマルチスライスCT(コンピュータ断層撮影装置)は、世界最小0.5mmスライス幅で、16スライス同時の撮影を一度行なうと、その3次元データをもとに、任意の部位、任意の方向でスライスした高精細画像を出力できる。一定方向の横断像だけの従来型CTでは見ることができない扁平な腫瘍も確実に捉えられる。従来とまったくレベルの違う、質の高い診断が可能になるのである。

「この診断の質をすべての患者に提供する。そのためには各診療科の医師が日常の診療の中で医療画像を自由に使えなければなりません」

従来のフィルムベースの管理ではこれは不可能だ。マルチスライスCTの画像は、患者1人の横断像だけでも数百枚に上るのである。患者に対する医療の質を向上させるためには、医療画像の電子化と共有化が不可欠だった。

もうひとつの目的は、医療現場の効率化である。

「画像情報の共有によって、いままでのムダを一掃したかったのです」

まず、フィルム探しのムダ。X線フィルムなどは中央管理が建前だったが、実際は各診療科に貸し出されたままということが多かった。医師が外来患者のフィルムを探し回る光景も日常的だったという。さらに、検査のムダ。1人の患者に複数の診療科が同じ検査を繰り返すこともあった。

CTから、X線、MRI、超音波、内視鏡まで、病院内のあらゆる画像を共有化するシステムを。徳島大学病院は、医療画像配信システムによって医療の質と効率の向上を実現する「フィルムレス病院」をめざしていた。

プラットフォームの課題 クラスタリングを超える信頼性

中央診療棟の完成にあわせ、各診療科、約500台の端末に向けた医療画像配信システムの開発が決まる。問題は大容量の画像データだった。ダウンロードに時間がかかっては、診療の現場では使えない。膨大なトラフィックで、他の業務システムに支障が生じてはならない。

問題解決のために、徳島大学病院が選んだのは、日本アグフア・ゲバルトの「IMPAX Web1000」だった。PACS(医療画像情報システム)の分野で、世界トップクラスの導入実績を誇るパッケージである。医療画像のDICOMフォーマット画像をサーバサイドでWeb対応形式に圧縮変換。さらに、端末に接続されているディスプレイ解像度をサーバ側が判断し、リクエスト画像の表示範囲のデータだけを送ることで、高速、低トラフィックの配信を実現する。

次の問題は、医療画像配信システムの中核となるサーバだった。病院全体が完全フィルムレスに移行した後で、万一画像が届かなければ、診療は滞り現場はパニックを起こす。サーバには何よりも安定稼動が求められていた。

当初、予定されていたのはIAサーバと共有ディスクを使ったクラスタリングシステム。しかし、日本アグフア・ゲバルトでは、より信頼性の高いシステムを探し続けていたという。ヘルスケア事業部の高柳氏は語る。

「クラスタリングでは、万一の時にリカバリー作業が必要で、どうしても時間や手間がかかります。また実際にフェイルオーバが機能するかも不安です。運用を考えた場合、できれば選択したくなかったのです」

朗報は、海外からやってきた。2003年6月、ベルギーのアグフア・ゲバルト本社から、新たなハードウェアの動作確認のリリースが届く。ftServerである。

ストラタスのソリューション 信頼性、パフォーマンス、開発の容易性

病院システムの中核を担い、24時間稼動し続けるftServer

2003年9月、電子カルテ、オーダリングなども含めた病院情報システムの開発がスタート。医療画像配信システムの中核サーバには2ウェイのftServer3300が採用された。これがシステム開発の成功を支えた。

まず、高信頼性。ハードウェアの2重化構成によって、万一障害が発生しても片系の障害発生コンポーネントが切り離され、システムは正常に稼動しつづける。リモート監視によって運用管理の負荷もかからない。プラットフォームに全幅の信頼を置いて開発できたのである。

そして、パフォーマンス。2CPUのftServerは、端末からのリクエストに応じた画像処理にも余裕で応えることができた。

さらに、開発の容易性。ftServerではハードウェアが2重化構成になっていてもOSやアプリケーションからはシングル構成に見えるため、開発は単体のサーバと変わらない。OSも安定性が高められてはいるが、標準アプリケーションがそのまま使えるWindows2003 Advanced Serverだ。

「クラスタリングシステムと比べるとデータベースの開発もシンプルでした」(日本アグフア・ゲバルト高柳氏)

システム開発は「IMPAX Web1000」のカスタマイズという形で進められた。西谷先生からは、画像系のシステムと基幹系のシステムのシームレスな統合が求められたという。「この2つが別々では使いにくいし、効率向上につながらない。ひとつのPCの中で、電子カルテから検査画像がスムーズに呼出せるしくみを作っていきました」

2004年4月1日、すべてのシステムは期日どおり稼動を始める。

今後の展開 先進医療を支えるもの

導入以来、ftServerは何のトラブルもなく稼動している。各診療科の先生方は、日常の診察業務に当たり前のように、デジタル画像を利用している。病院内でフィルムを探し回る医師の姿を見かけることはもはやない。徳島大学病院中央診療棟はフィルムレス病院に生まれ変わったのである。

西谷先生は語る。

「やはり人間は自分が見ないと信用できないものです。各診療科の医師が検査画像の診断を専門とする私たち放射線医師と同じ画像を見ることで、より緊密で、効率的なチーム医療が可能になったといえるでしょう」

最後にftServerについての評価をいただこう。

「24時間365日止まらないということは、病院のIT化を考える上で非常に重要なファクターです。ftServerのような安定したサーバが絶対必要だと思います。今回は画像系のシステムでしたが、電子カルテを含め病院内のあらゆる情報システムで使われるべきソリューションですね」

Interviewee
徳島大学病院
放射線部長
徳島大学教授
西谷 弘 医学博士
日本アグフア・ゲバルト株式会社
ヘルスケア事業部
ITソリューショングループ
セールス&マーケティングチーム
スーパーバイザー
高柳 亮太郎
Profile
  • 社名
    徳島大学病院
  • 本社
    徳島県徳島市蔵本2-50-1
  • 開院
    1943年
  • 診療項目

    総合診療科、循環器内科、呼吸器・感染症内科、消化器内科、神経内科、
    呼吸器外科、泌尿器科、消化器外科、眼科、耳鼻咽喉科・頭頸部外科、整形外科、
    皮膚科、形成外科・美容外科、脳神経外科、放射線科、麻酔科、精神科神経科、
    小児科、産科婦人科、歯科、矯正歯科、など31診療科

  • 職員総数
    約1200人
  • 病床数
    710床
  • URL
Profile
  • 社名
    日本アグフア・ゲバルト株式会社
  • 本社
    東京都目黒区東山3-8-1
  • 創業・創立
    昭和25年12月27日
  • 資本金
    4億9,950万円
  • 事業内容

    写真・印刷業界及び医療用写真・デジタル画像システム、
    並びに各種ディスプレイ用導電性高分子フィルムなどの製造/販売

  • 従業員数
    約110名(2007年1月1日現在)
  • URL
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